【14】初めての夕食後、涙
恐怖のあまりもう、海を眺めるどころの話ではありません。
私たちは中野海岸を後にして寮へ戻りました。
寮へ戻ると夕食の準備です。
買ってきた雪平鍋に水を張り、付属の電気コンロで沸かしました。
電気コンロの威力が弱くめちゃめちゃ沸くのに時間がかかりました。
もはやちゃんとわいているかもわからないそのお湯をカップ麺に注ぎ食べました。
ぬるいわけでもないし、内地でも売られている定番の担々麺味のカップ麺なのに
全然美味しく感じられず、ほとんど残してしまいました。
田中も同じようでした。
だんだん日も暮れ、明日の出勤が朝早い為各自部屋に戻りました。
しばらくすると田中が涙を流しながら私の部屋へやってきました。
突然のことで驚きました。
手には携帯を握りしめていました。
話を聞いてみると叔母さんからラインがあったようで、それを読んでいると恋しくなってきて涙が溢れてきたとのことでした。
私は私でお母さんから3か月の移住の事伝えると帰ってくるなと怒られて、田中も田中で出発する前にお母さんとけんかになったそうです。
出発前に電気代を払え。お母さんのその一言で出発直前ケンカに発展してしまったそうです。
そんな心細い気持ちの中、いつもよくしてくれている叔母さんからのラインはかなり響いたようでした。
わくわくしながら、西表に来たけれど、
あまりにも今まで自分たちが生活していた場所と違い、これから三か月の間やっていけるのかとても不安な気持ちでお互い一夜を過ごしました。
星空をみるのもとても楽しみにしていましたが
窓から星空は全然見えずさらにがっかりしました。
夜に外まででて見に行くという概念はありませんでした。
いよいよ翌日からはお仕事スタートです。