【11】神聖な場所が存在する西表島
窓の外をながめながら建物やコンクリートなんかも
こんなはるばる海を越えてやってきて建設したり運んだりしてすごいなあ、
それにしても本当になんにもないところだなぁ。
なんてぼんやり考えているうちに職場に到着しました。
ここからは総務の人が案内してくれるとのことで制服のサイズ合わせだったり、施設の案内をしてもらいました。
制服はかりゆしウェアです。かりゆしという言葉も今回のリゾバで初めて知りました。
おきなわではかりゆしが正装のようです。
更衣室がないようなのでトイレで田中と二人でかりゆしに着替えました。
かりゆしのサイズは問題ありませんでしたが田中も私もボトムの長さがとても長く引きずってしまいました。
新しい職場はやっぱり緊張します。
そういえば、中学の制服も高校の時にアルバイトしたレストランもシャツは基本ボトムにインして着用するのがルールでした。
恐らくこのかりゆしウェアもボトムにインして着るやつだと私は思い、田中に伝えました。
田中もそっか、そっか、みたいな感じでかりゆしにボトムをイン。
サイズ感を伝えようと外へでると同じ制服を着た従業員の方が見えました。
かりゆしウェアは基本的にシャツは出して着用するようでした。
ボトムが長い事を伝えると、アイロンでとめるタイプの裾上げテープを支給されその場でアイロンを借りて裾上げしました。
しかしこの裾上げテープかなり弱く翌日からすぐに外れてしまい、結局毎朝ガムテープで裾上げするのが田中と私の朝のルーティーンになるのでした。
一通りの施設を案内されたり支配人との挨拶が終わり
私達の住居となる寮へ案内してもらうことに。そこへ車で向かってる途中で「西表島は地元の人しか立ち入ってはいけない神聖な場所が数多くあります。むやみやたらに入っていかないようにお願いします。」と忠告されました。
たとえば、なにか土地の所有者がいてそこでなにか栽培してるとか、人の住居で入ったらいけないとかそういうのなら想像がつくけど、
地元の人だけの神聖な場所は初耳で大阪育ちの私達にはなじみがありません。
虫が怖いし忠告がなくても探検したいとか全然思わないけどなんだかとんでもないところにきてしまったと不安な気持ちが更に増しました。
田中の顏を見てみると彼女もまた、同じ気持ちのようでした。
9月ももうすぐ終わりというのに物凄い勢いのセミの声が島中に響き渡っていました。